BMWのDSCとDTCの違いについて検証してみた

E90_320i_DTCボタン
E90_320i_DTCボタン

  

皆さんこんにちは、わいぐち(@yguchi_E90_320i)です。

突然ですが、BMWの車の多くは「DTC」と書かれたボタンがあるのはご存じですか?

大体、センターコンソール周辺にあるこのボタンですが

BMW乗りの中にはそもそもこのボタンを押したことがない人や

押したけれども効果が判らなかったという人もいるかと思います。

実はこのボタンはBMWの車両制御装置の「DSC」 (dynamic stability control/ダイナミック・スタビリティー・コントロール) と「DTC」 (dynamic traction control/ダイナミック・トラクション・コントロール) の制御モードを変更する時に押すボタンです。

そこで今回は「DSC」と「DTC」の挙動について、私の愛車BMW E90 320iを実際の峠を走行しながら検証してみたいと思います。

  

⇒こちらの内容を動画で視聴する

  

  

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「DSC」「DTC」の仕組みについて

実際の峠でDSCとDTCの違いを検証する前に、英語ではありますがDSCとDTCの仕組みついて説明している動画を見つけたので要点をまとめつつ紹介します。

  

  

■DSC

ステアリングアングル、車速、タイヤの回転状況、前後方向に対する加速、ブレーキ圧、ヨーモーメント(水平方向に対する回転)の6つの要素を常に監視し、車がスピンすることを防ぐことを目的とした機能。

オーバーステア、またはアンダーステアを検知するとドライバーの操作にかかわらず4輪のブレーキを個々に動作させ、車の挙動の立て直しを図る。

DSCが作動するとスリップ警告灯が点滅する仕様となっている。

ドライバーは行きたい方向にハンドルを切るだけでDSCの効果を最大限発揮することができる。

  

■DTC

DTCはDSCの中にある機能の一つで、雪道などの路面状況が悪い場所で使うとこを想定している機能である。

DSCに比べ車の制御が乱されない(スピンしない)程度であれば、タイヤの空転を容認するモードとなっている。

  

動画ではこのように解説されています。

すごいですね!

常に6つの要素を監視しているとは知りませんでした笑

また、考え方としてDTCはDSCと別物というわけではなく

あくまでもDSCの機能の中の一つ、いわばモード違いという認識が正しいそうです。

  

  

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DSC、DTCの機能を試したのはここだ!

さて、それぞれの機能の概要がわかったので、次は実際の峠で試してみたいと思います。

今回DSCとDTCの機能を試すのに使ったのは

箱根の七曲峠です。

ここは箱根新道ができる前は東海道として使われていた道で

正式には県道732号線といいます。

ここの場所を選定した理由ですが

①アルテッツァで何回も運転したことがある為、場所による駆動の変化が予想できる。

②路面状況が悪い道なのでDSCやDTCが制御する機会が多いと想定できる。

要するに走りなれた場所で運転することでDSCやDTCが作動した時、自分が認識しやすくするためです。

また、動画の内容をみるかぎり、路面状況が悪いほうが作動しやすいと判断したため

雨が降り、路面がぬれた状態の日を選んでみました。

  

七曲の道の写真
いわゆるヘアピンカーブが続く峠道

  

路面状況_濡れている
路面状況はほとんどウェット、たまに乾いた個所もある状態

  

  

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DSCモード

ます初めに検証するのはDSCモード

DSCモードの起動方法についてですが

エンジンをかけると必ずDSCが起動した状態になっています。

そのためBMW全般的にDSC起動時が通常時という考えです。

  

何も表示されていないインディケーター
E90の場合、メーター中央のインディケーター部分に何も表示されていない時がDSCが起動している状態。!マークは停車時、サイドブレーキを引いた状態で撮影したため表示されています。

  

とにかくこの状態で七曲を運転してみる。

七曲はタイトなヘアピンコーナーが多いのですが、運転して、気づいたこととしては

タイトなヘアピンに差し掛かるとスピン警告灯が点滅していました。

  

スピン警告灯が表示されたインディケーター
この警告灯が点滅した時DSCが働いている模様

  

少し速度が乗った状態でヘアピンカーブに差し掛かると遠心力により車の重量が外側にシフトし

結果として内側のタイヤが空転する。

そして空転を感知するとすぐさまDSCが作動し

アクセルの制御を緩め、空転防止しているみたいです。

普段の運転中は制御が入っていることを感じたことはないですが

路面状況が悪い場所で少しラフに運転するとかなり制御されることが感じられます。

また、ステアリングフィールとしてはニュートラルステアに近づけようとしていることが伝わり、

例えば登りでアクセルを踏みすぎ場合は、アクセルの開度制御と車両外側のブレーキを作動させ

オーバーステア状態にならない方向にもっていこうとしていることがわかりました。

また、下りでヘアピンカーブに速度が乗りすぎた状態で侵入した時は逆に内側のブレーキを作動させているらしく

アンダーステアを消す方向の制御をしているのが伝わりました。

そのため、FRであるものの、運転している時、お尻が流れてしまいそうと思うとこが少なく安心感がある一方

DSCの制御の入り方が露骨なため、運転を車に支配されている感覚も少なからず感じることがありました。

  

  

DTCモード

続いてDTCモードを試してみます。

DTCモードにする方法はとても簡単でDTCボタンを一度押すと起動。

起動して時はメーターに「DTC」と表示されているので一目でわかります。

  

DTCモードの時のインディケーター
起動するとこのように表示されます

  

DTCを起動した状態で七曲のヘアピンに差し掛かった時、違いは一目瞭然でした。

DSCの時は内側のタイヤが空転した時、アクセル制御とブレーキで空転しない方向にもっていっていましたが

DTCの場合、まずは空転しているタイヤにブレーキを少し利かせることで外側のタイヤに駆動力を配分している感じです。

ちなみにE90 320iはオープンデフであり

オープンデフの場合、片方のタイヤが空転してしまうとすべての駆動力が空転しているタイヤに伝わってしまい

前に進むことができなくなってしまいます。

どうやらDTCはそれを防ぐため、空転しているタイヤを感知した際

まずは空転しているタイヤだけブレーキをかけ

空転していないタイヤにも駆動力が伝わるように制御しているみたいです。

要するにブレーキを使ってLSDの動作を疑似演出している状態でした。

この制御は結構優れもので

DSCモードでは一切オーバーステアを出すことができなかったのですが

DTCだとヘアピンカーブでアクセルを強く踏むとまずはオーバーステア状態となり

純正でトルセンLSDがついていたアルテッツァの駆動とものすごく似ていました。

ただし、しばらくオーバーステア状態が続くとアクセルも徐々に弱められてしまう為

オーバーステア状態を長い間維持することはできませんでした。

また、下りの制御に関してはDSCと違いがあまり感じられず

基本的にはアンダーステアが出そうになると、内側のブレーキを制御してニュートラルステアに持っていく方針でした。

DTCは基本ニュートラルステア、少しのオーバーステアを容認し、アンダーステアは消す方針ということがわかりました。

  

  

DSC/DTC OFFモード

さて、今まで一度も触れていませんでしたが、実はBMWにはDSCとDTCをどちらも作動しなくするOFFモードというものもあります。

このモードはDTCボタンを長押しすると起動できるモードであり

ABS以外の電子制御をすべてオフにできるモードです。

電子制御を切れば、車のメカとしてのポテンシャルを見ることができると思った為、OFFモードも七曲を試してみました。

  

電子制御OFFの時のインディケーター
電子制御OFFモードはスピン警告灯が点灯状態になる

  

再び七曲のペアピンに差し掛かるとまたまた違いがすぐに現れました。

当たり前ではありますが、OFFモードの場合はABS以外の電子制御が一切働かない為、ヘアピンで内輪が空転した場合、アクセルを自分で戻す、またはトラクションが回復するまではタイヤが空転し続けます。

まあ、これに関しては想定範囲内だったのですが

実はOFFモードにすればDTCで物足りなく感じていたオーバーステア状態を維持できないの部分が解消されることを期待していました。

しかし、実際にやってみたところ

そもそもオーバーステア状態になる以前に

前に進まない!!

ヘアピンで片輪が空転してしまうと延々と片輪が空転し続けるためアクセルを踏んでも全然前に加速してくれず

車の挙動としてはギアをニュートラルにした状態で惰性だけでヘアピンを回るような感じとなりました。

また、下りに関してはアンダーステアを消す制御も行われていないため

3つのモードの中で一番アンダーステア傾向が強かったものの

それでもアンダーステアが顕著に出てくることはなかった為

E90 320iのメカとしてのポテンシャルの高さは感じることができました。

流石、前後重量配分を50:50に拘っているだけあるなと感じました。

  

  

海外の検証はもっとハイレベル

今回は峠道で比較的低速な状態でDSCとDTCの検証を行いましたが

海外ではもっと大胆に検証している人がいました。

こちらがその検証動画

  

  

私が行った検証をよりハイレベルで行った感じですね笑

動画自体はドイツ語?となっている為、聞き取ることができないのですが

どうやらDSC、DTC、OFFモード、OFFモード+サイドブレーキをかけた状態の4パターンを雪道で試しているみたいです。

それぞれの挙動については私が行った検証と同じような結果になっています。

ただ、この方のほうが速度が出ているし、オーバーステア状態ももはやドリフトといえる状態にまで持っていっていますね!

それにしてもLSDの効果を疑似的に再現するためサイドブレーキを利かせたまま運転するとは。。。。

サイドブレーキが壊れないか心配ですが、興味はあります笑

  

  

まとめ

今回はDSCとDTCの機能について様々な視点で検証を行い、効果を見てきました。

個人的な意見ではありますが、DSC、DTC共に車の挙動を乱さないようにする電子制御はかなり優秀だということがわかりました。

また、空転しているタイヤにブレーキをかけ、疑似的にLSDの効果を演出しているDTCは素直に関心したものの

どうせならアクセル制御はされず、最近のBMWやメルセデスの車についている、いわゆるドリフトモードのような制御にしてほしかったと思いました。

DSC/DTC OFFモードに関しては正直ノーマル状態で使う機会は少ないと感じ

足回りをいじり、LSDをつけた時、初めてDSC/DTC OFFモードは生きてくるのだと感じました。

というか、なんでG型までMカー以外純正でトルセンLSD選択できなかったんだよ。。。

BMWは走行性能が売りなので電子制御だけでなく機械的な制御もしっかり作りこんでほしいですね。

BMWのこれからにも期待しております。

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