皆さんこんにちは、わいぐち(@yguchi_E90_320i)です。
突然ですが、車にはさまざまなオイル類が使用されていることはご存じでしょうか?
中でも一番代表的なのはエンジンオイルですね。
エンジンオイルに関してはなんとなく定期的に交換しないといけないという認識はお持ちだと思いますが、ほかのオイル類については名前すら知らない人がほとんどかと思います。
エンジンオイル以外にも、ブレーキフルード、ミッションオイル(ATF)、ギアオイル、クラッチフルードなどなど様々なオイル類が使われていますが
今回はその中で車の操舵に必要不可欠なパワーステアリングオイル(パワステオイル)の簡単な交換方法(希釈方式)について紹介していきたいと思います。
目次
パワステオイルは交換不要??
実はパワステオイルは車メーカー各社は交換不要とうたっているオイルだというのはご存じですか?
交換不要と謳っている理由ですが、個人的な意見としては
①ほかのオイルに比べよおごれる要因が少ない
②ステアリングを油圧で制御するためのオイルであり、エンジンオイルに比べ性能が重視されない。
が交換不要と判断されている要因だと考えています。
しかし、このパワステオイル、多走行車になればなるほど汚れていることがほとんどで、中には汚れが原因でパワステポンプが故障するケースもあります。
そのため、特にスポーツ走行等車に負荷が激しい運転をするのであれば交換することをオススメします。
交換方法は大きく分けて2通り
一般的な車に大体1L入っているパワステオイルですが、交換方法は大きく分けて2通りあります。
■全交換方式
こちらは名前の通り、パワステオイルを全交換します。
しかし、エンジンオイルと違い、パワステオイルのほとんどはのパワステ油圧系統の配管にとどまっており
全交換方式で交換するにはパワステオイル系統の配管を外し、油圧系統からオイル抜く必要があります。
私も過去、全交換方式で交換したことはあるのですが、この後紹介する希釈方式のほうが作業対効果がダントツに高いです。
そのため、パワステポンプを変えるなど明確な理由がない限りは全交換方式はお勧めしません。
■希釈方式
希釈方式とは何かですが、基本的に洗剤や消毒液、カルピスの原液の希釈と考え方は似ています。
パワステオイル交換の希釈方式とは
古いパワステを徐々に抜き取り、抜いた分新しいものを入れ、その作業を繰り返すことでほとんど新品同等のパワステフルードにする交換方法です。
薄めるというところの考え方は洗剤や消毒液などの希釈と同じなのですが、パワステオイルの交換に関しては
できるだけ薄めて新品に限りなく近くしたい
というのが肝なので、適切な希釈倍率などは存在しないところは少し違いますね。
全交換方式でも説明した通り、パワステオイルのリザーブタンクはシステム全体のパワステオイルのほんの一部しか溜まっていません。
しかし、リザーブタンクにたまっているものはハンドルを切るごとに油圧系統内を循環するので
リザーブタンクに溜まった古いオイルを交換→循環→循環し再び現れた古いオイルを交換→循環→……………
を繰り返す作業となります。
なお今回の記事は繰り返し同じ作業はするものの、交換が手軽にできる希釈方式について紹介していきます。
準備するもの
それでは作業に入る前、事前に準備するものを紹介させていただきます。
■準備するもの
・パワステオイルを吸い出すポンプ
・パワステオイル・ATFフルード 2L
・オイルジョッキ
・オイル処理箱
・段ボールの切れ端 x4
・使い捨てウエス
基本的に上記の物があれば交換は可能ですが、この中で特に重要な物は以下の3つでございます。
■パワステオイルを吸い出すポンプ
リザーブタンクに溜まった古いパワステオイルを吸い出すためにはポンプが必要となります。
私はホームセンターで500円程度で販売されていた注射器タイプの物を使用しましたが、一番身近なもので譲位するのであれば
シャンプーボトルの頭のポンプ
これで代用することも可能です。
■パワステオイル・ATFフルード
こちらが肝心の交換するオイルです。
私の車はBMW E90 320iなのですが、こちらの車のパワステはATFフルードを使っています。
車種によってパワステオイルやATFフルードの指定がありますので適合するオイルを調べ、2Lぐらい購入しておきましょう
■オイルジョッキ x2
こちらに関しては必ず必要というわけではございませんが、私は抜き取ったパワステオイルと新しく入れるパワステオイルをできるだけ同量入れたいと思ったため、同じ2Lオイルジョッキを2つ買いました。
ただし、パワステオイルは規定値に収まっていれば多少の誤差があっても問題がないので気にしない方はリザーブタンクにパワステオイルを入れる時用として1つ購入すれば大丈夫です。
必要物品もそろいましたのでいよいよ作業に入っていきましょう!
①前輪の下に段ボールをセットする
パワステオイルの交換作業にはハンドルを左右に切る作業が何回も登場します。
実は車の停止状態でのハンドル操作はパワステポンプへの負荷的な意味でも、タイヤへのダメージ的な意味でもあまり好ましくないのです。
本当は左右の前輪をジャッキアップした状態が好ましいのですが、私はスペースの兼ね合い上できませんでした。
少しでもハンドル操作にかかる負荷を減らすため、前輪の下に段ボールの切れ端を2枚ずつセットしました。
②ポンプで古いパワステオイルを抜き取る
次の行うのは古いパワステオイルの抜き取り作業です。
なんとなく難しそうに感じるかもしれませんがすごく簡単です。
まずはパワステオイルのリザーブタンクを探しましょう。
場所がわからない場合は車の取り扱い説明書に書いてあると思いますので一読ください。
リザーブタンクを開けると溜まっているパワステオイルが見えます。
こちらを抜いて新しいものに入れ替える作業となりますので、まずは用意したポンプを使ってオイルを抜き取ります。
上記したように、私は注射器タイプのポンプを用意しましたので注射器の後ろを引っ張るとオイルを抜くことができました。
ポンプの大きさにもよりますが、基本的に一度ですべて吸い取れることはないかと思います。
そのため、上の画像のようにリザーブタンクの底が見えるまで抜き取り作業を続けてください。
なお、抜き取った古いパワステオイルは用意した受け皿や量を確認しないのであれば廃油用の段ボールに捨てましょう。
③新しいパワステオイルを入れる
リザーブタンクに溜まった古いパワステオイルをすべて吸い取ることができましたら、次は吸い取った分、新しいパワステオイルを入れる作業となります。
物品紹介の時も述べているかと思いますが、私は抜き取ったのと同量のオイルを入れることに拘りがあったため、同じオイルジョッキを2つ買い、古いパワステオイルを注いだの物を目安に新しいパワステオイルの量を測っていました。
しかし、やってみて気づいたのですが、パワステオイルは粘度が高い為、同じ量で合わせたとしても実際注げる量は少なくなります。
そのため、新しいオイルは抜いたものより少し多めに注いでおくちょうどいい量を補充できるかと思います。
パワステオイルを補充するのは非常に簡単で、リザーブタンクに注ぐだけです。
この作業で困ることはないかと思いますが、強いて言うのであればリザーブタンクの蓋は小さい場合が多いので
うっかりオイルをエンジンルーム内にぶちまけないように気を付けましょう
新しいパワステオイルを注ぎ終えたら、リザーブタンクにオイルがちゃんと入っているか念のため確認しておきましょう。
極端に少なかったり、逆に今にもオイルがあふれそうな場合は元々作業を開始した時ぐらいのオイル量になるように調整しましょう。
特に問題が無ければ一度リザーブタンクのキャップを占めます。
厳密には締めなくても作業をすることはできますが、この後エンジンをつけ、あふれたりした場合、被害を最小限にするためにもめんどくさがらずキャップを締めることをオススメします。
④パワステオイルを循環させる
さて、しっかりとキャップを締めたのを確認後、いよいよエンジンを作動させます。
希釈方式でパワステオイルを交換するには、油圧系統内のパワステオイルを循環させる必要があります。
パワステポンプはエンジンの力を使って作動するので、そのためのエンジン作動でございます。
エンジン作動後、今度はゆっくりと左右にめいいっぱいハンドルを切る作業をします。
これを行うことでより多くのパワステオイルを循環させることができます。
なお、最初に挟んでおいた段ボールがここで役立ちます。
段ボールを引いているとハンドルを回すのが楽なのと車へのダメージが少ないです。
右にめいいっぱい切った後は左に切ります。
なお、ハンドルを左右に切る作業は大体往復5回が目安です。
しっかりと5回数え、切り終わったらハンドルをまっすぐに戻し、エンジンを切ります。
⑥あとは作業の繰り返し
やっと作業が終わったー!
と思われた方、まだ始まったばかりです笑
作業の説明自体はこれで終わりですが、希釈方式のため、一回で交換できるパワステオイルは全体のごく一部です。
①~⑤の作業を購入したパワステオイルが無くなるまで繰り返すのがこの作業の醍醐味です。
最初は緊張もあり、精神が疲れるかもしれませんが、慣れてくると手際も良くなり、1サイクル5分もかからずできるようになると思います。
作業自治は簡単なので淡々と作業をするとよいでしょう。
交換した結果
さて、こちらの画像は左から
・交換前
・1L交換後
・2L交換後
・新油のパワステオイル(正確にはATFオイル)
です
見ての通り、希釈方式で2Lのパワステオイルを交換するとほぼほぼ新油と色も変わらなくなるぐらいまで交換できました。
逆に1Lの場合は希釈方式だと足りず、綺麗になっているものの新油との差は明確です。
せっかく作業するのであれば2L希釈し、綺麗なパワステオイルにしましょう。
規定値は正確に
ちなみにパワステオイルを交換し、最後にリザーブタンクにキャップをするときは
パワステオイルの規定値をしっかり測りましょう
交換作業中はある程度の精度でもいいですが、それはあくまでも車が停止状態だからです。
実際の走行を行うと、低すぎる場合はエア噛み、多すぎる場合は噴き出す恐れがあるので測っておきましょう。
まとめ
以上が希釈方式によるパワステオイルの交換方法でした。
いかがでしたか?
エンジンオイルに比べると確かに作業は多いいですが、おそらく多くの人自分でもできると感じているのではないでしょうか。
私は最近サーキットを走るようになり、予防の意味を含めパワステオイルの交換をさせていただきましたが、ハンドルが重い場合や異音がする場合、症状が解消することもあるそうです。
それになんといても。。。。。
やっぱり綺麗なオイルが入っている方が精神的に良いじゃないですか笑
まあ、交換の理由はともあれ、オススメな整備の一つです。
それではまた!
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